ECW ニュースレター

第13回「緊急下の教育」勉強会を開催しました

緊急下の教育

紛争や自然災害等の緊急下にある国では、3人に1人の子どもや若者が学校に通うことができておらず、拉致、虐待、搾取、武装勢力への徴用等、子どもを取り巻く様々なリスクに晒されています。これらのリスクから子どもや若者を守り、また、将来の雇用の機会を失わないためにも、緊急下においても教育へのアクセスを継続することが重要だと考えられています。しかし、緊急下の教育は子どもたちを守り復興後の国づくりを担う人材育成に重要な役割を果たすにもかかわらず、緊急下における教育支援は、食料、水、シェルター等の他分野の支援に比べると後回しにされがちという課題も抱えています。

そして近年は紛争など人道的危機が長期化する傾向にあり、「学びの継続」が一層困難になっています。教育を受ける機会を奪われた子どもや若者、いわゆる「ロストジェネレーション」の発生を避けるべく、紛争当事国、難民庇護国、国際社会により学びを断絶しないための様々な教育支援の取り組みがなされていますが、出口の見えない紛争状況下において、質の高い教育の提供をいかに持続的に担保できるか、課題に直面しています。

「長期化する紛争と教育の継続性」をテーマとした「緊急下の教育」勉強会を開催

「教育協力NGOネットワーク(JNNE)」では、緊急下における教育支援の取り組みを通じて得られた知見や経験を共有し、EiE事業の質の向上やEiE自体の認知度の向上を目指すために、2016年より「緊急下の教育(Education in Emergency: EiE)勉強会」を開催してきました。

2022年7月22日(木)には、「長期化する紛争と教育の継続性」をテーマとした第13回目のEiE勉強会をオンラインで開催し、政府機関、国際機関、学校関係者、民間企業、NGO等から43名が参加しました。

第一部では、国境なき子どもたち(KnK) シリア難民支援 現地事業総括の松永晴子氏より「長期化する紛争と難民庇護国における持続性を見据えた教育支援‐ヨルダンの事例より」と題して、終結の見通しが立たないシリア危機における難民の子どもたちに向けた「社会性育成を主眼に置いた特別活動実践と体制構築事業」についてご紹介いただき、その成果と課題について共有していただきました。

第二部では、上智大学 総合人間科学部教育学科教授の小松太郎氏より「長期化する紛争と教育継続に向けた支援、NGOの役割」と題して、教育継続のために脆弱層の子どもを含む学習者にどのような支援が必要なのか、難民受け入れ政府や教育関係者とどのような関係性を築く必要があるか、またその際にNGOを含めた人道支援アクターが果たすべき役割は何かについてお話しいただきました。

そして第三部では、ファシリテーターのJNNE副代表(ワールド・ビジョン・ジャパン)の柴田哲子氏も交えてQ&Aセッションを行い、参加者から事前に寄せられた質問に対して松永氏と小松氏にお答えいただきました。先の見えない環境で子どもたちが目標を持つための教育における工夫、人道支援と開発支援のネクサスにおけるNGOの役割、オンライン授業の可能性と課題、そしてロストジェネレーションへの教育機会の提供などについて、現場とアカデミアの視点から知見を共有していただきました。

JNNEでは今後も引き続きEiE勉強会を開催していく予定です。

EiE勉強会でのQ&Aセッションのようす:小松氏(左上)、柴田氏(右上)、松永氏(下)

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