【危機状況下の子どもは2億人以上】
ウクライナ、イエメン、ガザ地区、スーダンなど、世界各地で紛争が発生し長期化しています。また、気候変動などによる自然災害や海面上昇により、子どもたちの教育が中断されています。このような危機の影響を受けている初等・中等教育就学年齢の子どもたちの数は2億3,400万人にも上り、過去3年間で約3,500万人も増加したと推定されています。*1
紛争や災害が起きている状況下では特に女子の不就学リスクが高まったり、また難民や障害のある子どもなど、すでに脆弱な立場に置かれた子どもたちが、ますます取り残されてしまうという現状があります。
【教育を後回しにはできない基金(ECW)とは】
このような状況に対し、Education Cannot Wait(ECW:教育を後回しにはできない基金)は、世界で初めて紛争や災害などの緊急時の教育に特化した国連の基金として2016年の世界人道サミットで設立されました。ECWは独自のスキームを通して、人道支援の中でも後回しにされがちな教育を特に脆弱な状況にある子どもたちを対象に届けています。2023年には13,000の教室の建設・修復、23,000人の教員を採用・支援などを通じて570万人の子どもに教育の機会を与えました。*2*3
日本政府は2023年に初めてECWへの拠出し、ECWを通じてウクライナ、ナイジェリア、ブルキナファソ、エチオピアにおける危機下の教育事業を支援してきました。しかしながら、日本政府のECWへの拠出額は年間でわずか5億4000万円(2025年度)でドイツの20分の1、イギリスの15分の1にすぎません *4。また教育分野の国際機関の拠出額は保健分野の60分の1と大きな差があります *4。今後ECWを含む教育支援を大きく拡充していくことが期待されています。 *5*6
*1 Education Cannot Wait – Global Estimates 2025 Update https://www.educationcannotwait.org/global-estimates-2025-update
*2 2023 年 ECW 年次成果報告書 https://jnne.org/wp-content/uploads/2025/12/ecw-executive-summary-2023_japanese.pdf
*3 JNNE教育協力NGOネットワーク「Education Cannot Waitとは?」 https://jnne.org/old/ECW_Newsletter/Oct2021/What%20is%20Education%20Cannot%20Wait.pdf
*4 ドナーによるECWへの拠出額の累計はhttps://www.educationcannotwait.org/our-donors参照。保健と教育分野の国際機関への拠出額の比較については令和4年と5年の通常および補正予算において、主な保健機関(Global Fund, Gavi)と教育機関(GPE, ECW)に拠出されている金額に基づいている。
*5 令和5年に改訂された開発協力大綱では、「人間の安全保障」を推進するために不可欠な「人への投資」として、教育は極めて重要であり、万人のための質の高い教育を実現するために女性・子ども・若者のエンパワーメントや紛争・災害下の教育機会の確保を強力に推進することが明記されました。また、世論調査でも、「開発協力の重点分野」とすべきものとして、教育・人材育成がトップの結果となっています。 令和5年度外交に関する国内世論調査(概要)より、「政府開発援助(優先分野)(複数回答可)」https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100661131.pdf
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