※質問文では、便宜上行政用語である「外国籍の子ども」という表現を使用しており、現時点で文部科学省が就学を義務付けていない「外国籍の子ども」についてのみ言及していますが、日本国籍取得者や無国籍者を含む海外にルーツのある子どもたちすべてというニュアンスで用いられています。
【約1万人の海外ルーツの子どもが不就学】
日本に住む外国人の人口は年々増加しており *1、海外にルーツのある学齢期の子どもの数も急増しています。*2 しかし日本の教育制度は、こうした子どもたちを十分に包摂できていません。文部科学省は「外国人の子どもには、我が国の義務教育への就学義務はない」としています。*3 公立校への就学を希望すれば無償で受け入れるものの、就学支援や日本語指導体制は各自治体に委ねられ、地域格差が生じています。そのため、不就学、または不就学の可能性のある外国籍の子どもは全国で約1万人にのぼると推計されています。*4 また、日本語指導が必要な中高生は、進学率が低い一方で、中途退学率や非正規就職率が高い傾向にあります。5日本の高校進学率が約99%であるのに対して、*6 外国人生徒の高校進学率は6割程度です。*7
【すべての子どもに教育を受ける権利があります】
一方、「教育を受ける権利」は、SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」教育の中核であり、SDG4.1・4.4をはじめ、国際人権規約(社会権規約)第13条や子どもの権利条約第28条などで保障されています。また、日本の教育機会確保法第3条第4号では、義務教育段階に相当する教育を、年齢や国籍にかかわらず全ての人が受けられるようにすることがうたわれています。この条文は在留資格の有無にかかわらず、誰も対象から除外しない内容です。
こうした国際的・国内的な原則に照らしても、海外にルーツのある子どもたち一人ひとりが日本語支援を含む適切な学習支援を受けられる制度の確立が求められています。
*1 出入国在留管理庁 令和7年6月末現在における在留外国人数について
https://www.moj.go.jp/isa/content/001447921.pdf
*2 文部科学省「令和5年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果の概要」 https://www.mext.go.jp/content/20240808-mxt_kyokoku-000037366_3.pdf
*3 文部科学省HP「外国人の子どもの公立義務教育諸学校への受入について」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/042/houkoku/08070301/009/005.htm
*4 文部科学省「令和6年度 外国人の子供の就学状況等調査結果について」
https://www.mext.go.jp/content/20251002-mxt_kyokoku-000007294_3.pdf
*5 文部科学省「外国人児童生徒等教育の現状と課題」
https://www.mext.go.jp/content/20250404-mxt_kyokoku-000041513_04.pdf
*6 文部科学省「学校基本調査」
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Data/Popular2025/T11-03.htm
*7 日本学術会議「外国人の子どもの教育を受ける権利と修学の保障 ――公立高校の「入口」から「出口」まで」https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t289-4.pdf
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