お知らせ

JNNE主催「教育変革サミット(Transforming Education Summit)勉強会」を開催

2022年12月7日(水)、教育協力NGOネットワーク(JNNE)では、教育変革サミット(Transforming Education Summit:TES)に関するオンライン勉強会を開催いたしました。TESで行われた議論や成果について学ぶとともに、TESが日本の国際教育協力に有する意義について、また、国際教育協力に携わる私たちがTESの成果をどう活かしていくのかについて議論を行いました。政府機関、国際機関、研究者、民間企業、NGOなどから約40名が参加しました。 

冒頭、司会を務めるJNNE代表の森 透より、開催の挨拶を行いました。 

続く第一部では、TESに現地参加したJNNE副代表 (ワールド・ビジョン・ジャパン)の柴田 哲子(TES参加報告:WVJ)より、TESの概要や成果文書の内容、日本に対するインプリケーション等の紹介を含む参加報告を行いました。すなわち、第77回国連総会に合わせ、2022年9月にニューヨークにおいて開催されたTESは、2022年初頭からの世界各地での集中的・包摂的な準備プロセスを経て、65人の国家元首をはじめとし、教育大臣、国連諸機関のトップ、地域・国家機関、民間セクター、市民社会、教員、アカデミア、専門家、若者など、2千人以上が参加した、教育分野では初めてのハイレベル且つ大規模な国際会議となったことを報告しました。また、TESの成果文書として発表された国連事務総長のビジョンステートメント「教育を変革する:我々の共通の未来に向けた緊急の政治的要請 教育変革に関する事務総長ビジョンステートメント」について説明しました。最後に、TESが日本の国際教育協力に有するインプリケーションについて、3つの点から指摘しました。第一に、日本の岸田首相が、TESにおいて教育変革を推進する世界の5人のリーダーの1人として教育チャンピオンに就任したこと、第二に、日本が2023年G7の主催国となること、第三に、現在進められているODA大網の見直しを背景に、今後教育協力戦略の見直しが見込まれること、それぞれに対するインプリケーションについて指摘しました。 

第二部では、TESにおいて“Greening Education Partnership: Getting Every Learner Climate-Ready”と題するサイドイベントをユネスコ・英国政府とともに共催された文部科学省(TES出張報告:文部科学省)より、国際統括官付企画官の白井 俊 様にご登壇いただき、TESにおける日本の成果、上記サイドイベントの目的や日本政府による発表内容、今後の展開に向けた期待等についてご紹介いただきました。TESにおける日本の取組の成果として、日本のこれまでの教育変革の取組についてまとめた「総理ステートメント」の概要や岸田総理によるビデオメッセージについてご紹介いただきました。また、サイドイベントにおいて立ち上げられた、持続可能な開発のための教育(ESD)の枠組みにおける新しい国際的なイニシアティブである“Greening Education Partnership”の概要についてもご説明いただきました。最後には、教育に関する国際会議が続く中で教育変革への機運が高まっていることに言及し、「2023年に日本で開催されるG7教育大臣会合を、今までの教育変革に関する議論の一つの集大成と考えており、様々な成果を盛り込めるようにしていきたい」と述べられました。 

そして第三部では、参加者を交え、質疑応答・自由討論のセッションを行いました。人への投資を妨げている要因としての財政の課題、Greening Education Partnershipの具体的な内容、TESでの議論を受けたODA大綱改定やG7の議論への影響、TESでの議論の成果を具体化させる方法などの論点に関して、報告者と参加者による活発な議論が交わされました。